砂の女(砂雨の中で食べる土地のもの)
【砂の女】(1964年・日本)
sunanoonnna.jpg

監督:勅使河原宏
製作:市川喜一
    大野忠
原作:安部公房
脚色:安部公房
撮影:瀬川浩
音楽:武満徹
美術:平川透徹
    山崎正夫
編集:守随房子
出演:岡田英次
    岸田今日子
    三井弘次
    矢野宣
    観世栄夫
    関口銀三
    市原清彦
    西本裕行

<物語>
八月のある日、一人の教師が砂地に棲む昆虫を求めて砂丘地帯にやって来た。やがて夕暮となり砂丘の部落のある家で一夜を過した。蟻地獄のような穴の底にあり砂に蝕まれた破屋。そこに住む艶かしい三十前後の女。夜更けて女は砂の浸蝕から家を守るため砂かきの労働を始めた。翌朝目覚めた男は素裸で砂にまみれて寝ている女を見、苦々しい思いで家の外に出たが、崖には昨夜使った縄梯子は消え失せていた。驚いた男は自分が砂かきの労働力として雇われたことを知り愕然とした。女の言によれば、この部落は、砂という同一の敵によって固く団結していると聞かされるが。男はどうにかして逃げようとするが・・。勅使河原宏の名前を一躍国際的にした作品。

<映画感想とご注文>
孤高の人。勅使河原監督の映画は
どこか一味違う。写真などで観る
今は亡き監督ご本人の雰囲気も
気難しそうでほんの少し悪そうな
こ洒落たオッサン風な感じで、ちょっとカッコイイ。
常識なんてクソ喰らえ。

砂の下に住んでいる女。
その蟻地獄におとされた男。
それはまるで、男が採集している
昆虫たちの運命にも似ている。

でも昆虫たちと違うのは
標本にされるためにむやみに殺されない事。

いつしか男は見えない何かに
とらわれていく。そして、あのラスト。
まるで知らず知らずに自分で
自分に鎖をまいていく人間という
生き物の妙ちくりんなところを
それに気がつかないで自分だけは
正常だと思っている人々を
逆説的に、そのまた逆説的に、この映画
そのものが不敵な笑みを浮かべているよう。
なんてこった。面白い。面白すぎるじゃないの。
→続きを読んでみる・・
エターナル・サンシャイン(チキンもらっていい?)
【エターナル・サンシャイン】(2004年・アメリカ)


監督:ミシェル・ゴンドリー
脚本:チャーリー・カウフマン
原案:チャーリー・カウフマン
    ミシェル・ゴンドリー
    ピエール・ビスマス
制作:スティーブ・ゴリン
    アンソニー・ブレグマン
撮影:エレン・クラス
音楽:ジョン・ブライオン
出演:ジム・キャリー
    ケイト・ウィンスレット
    キルスティン・ダンスト
    マーク・ラファロ
    トム・ウィルキンソン
    イライジャ・ウッド 他

<物語>
バレンタイン目前のある日。ジョエルは不思議な手紙を受け取る。「クレメンタインはジョエルの記憶をすべて消し去りました。今後彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。 ラクーナ社」クレメンタインはジョエルが最近喧嘩別れしてしまった恋人。仲直りしようと思っていた矢先に彼女が自分との記憶を消去してしまった事を知りショックを受けた彼は、自らもクレメンタインとの波乱に満ちた日々を忘れようと、記憶除去を専門とするラクーナ社の門を叩く。そして・・・。原題の『Eternal Sunshine of the Spotless Mind』は、映画の中でキルスティン演じるメアリーが暗唱するアレキサンダー・ホープの詩の中の言葉から。2004年度のアカデミー脚本賞を受賞。

<映画感想とご注文>

「OK?(いいさ)」
「OK(そうね)」

瞬間的に予期してなかった涙があふれてくる。
思わず鼻の奥がツーンとなって胸が熱くなる。
ジョエルとクレメンタインの視線の行方に
アタシの感情移入度が体中を駆け巡る。
どうにもならないほど、滑稽で切ない。愛しい。

「バレンタインの日に思う事、今日は
 グリーティングカード会社が作った不愉快な祝日
 僕は仕事をサボり、モントークに向った。
 衝動的に。ボクらしくない・・」

モントークへ行ったのは偶然じゃなくて
必然だったジョエル。
さよならの代わりに記憶を消しても
どうしても消せないものがある。
忘れたくないものを忘れても
忘れられないもの。
そして、二人はまた出逢う。

ただ笑顔でハッピーエンドで終るなら
人生はどれほど簡単なことだろう。
ジョエルとクレメンタインは
これからも、きっとぶつかりあう。
貶しあい、石のように冷たい心で
過ごす夜も、たくさんあると思う。
それでも、きっと、泣きながら
どうしても一緒に生きていきたいって思うのは
なんでなんだろうね・・。

「息が詰まりそう!」
「OK(いいさ)」
「OK(そうね)」

泣き笑いの二人。
きっと、今日から、
また二人の日々が始る。

そして最後の歌で、また涙が出ちゃうから

「気持ちを変えて振り返ってごらん
 気持ちが違えば世界も変わるから
 君の愛が必要なんだ
 太陽の光りと同じように
 いつかは知らなければ
 いつかは気がつなかければ
 いつかは学ばなければ・・」
→続きを読んでみる・・
てなもんやコネクション(ディナーは立ち食いうどん)
【てなもんやコネクション】(1990年・日本)
tenamonnyakonekusixyon.jpg

監督:山本政志
制作:山本政志
プロデューサー:ジュリア・チュウ(朱嘉愨)
         古沢敏文
原作:宇野イサム
脚本:宇野イサム
    山本政志
撮影:玉井正誠
音楽:近藤等則
美術:林田裕至
編集:福田千賀子
出演:ツェ・ワイ・キット(謝偉傑)
    新井令子
    リ・チエオン(李穡)
    チュイ・フォン・ラン(徐廣林)
    ツエン(周穎端)
    鈴木みち子
    室田日出男
    ホウバクコン(何柏光)
    近藤等則 他

<物語>
九扇(ツェ・ワイ・キット)は生粋の香港っ子。クイズに当たって日本旅行に来たものの、迎えに来たのは片言の広東語しかできないクミ(新井令子)。おまけにとんでもないドケチ・ツアーだった。そんなツアーの途中、何者かに荷物を盗まれてしまった九扇とクミは、占い師のお告げで九扇の服を着込んだ犯人茜(鈴木みち子)に出くわす。だが茜にうまくはぐらかされ三人で、憧れの「東京ディズニーランド」に、と思ったが手違いで「浅草花やしき」に行ってしまう。だが、そこで思わず“香港旅行ご招待"が当たった九扇はクミや茜と共に無事香港に帰国。そして・・。「アホは国境を越える」を合言葉に、『ロビンソンの庭』の鬼才・山本政志監督が香港スタッフと手を組み中国返還前の香港を舞台に、水上生活を送る一家と巨大地上げ屋組織との攻防を描いた作品。公開時には専用映画館「TANK2」を自らのスタッフで渋谷に建築した。

<映画感想とご注文>
これって、日本映画なのかなぁ、合作じゃないの?本当に?って思うほど
映画の場面のほとんどは香港なので嬉しい。
しかも、大阪の場面も香港の場面も境界線がなく
ひとつに繋がっている感じが、観ていて心地いいのです。
歌うように飛び交う広東語と大阪弁。どちらも
完璧にはわからんアタシには違和感まるでないです(笑)
それにしても、この映画のパワーはなんだろう。
きっと、この監督は人間が好きなんだと思う。
とにかく味のある本物の人たちが、たくさん登場してくる
ドキュメントのようなリアルなパワーさと、
ヘンテコな作り物にしか出来ない映画的な嘘のアホパワーが
これほどまでに上手くかみ合っている映画をアタシは観たことがない。
まだ映画がそれほど人々の人生に宿ってない時に
映画というものに初めて出逢った人たちは、もしかしたら
こんな気分だったのかもと思わせてくれるような
独特の力をもっていると思ってしまうほどアタシの
心をつかんでつかんで離さない。

終始、クスクス笑えるなんとも可笑しい場面が多い中、
日本の憎き地上げ屋に、いよいよ負けそうになったその時
ずっと寝たきりだったはずの、おじいさんが突然起き出して叫ぶのだ

「もっと、体を動かせ!頭を使え!
 心の底から力を吐き出せ!
 あきらめるくらいなら寝たきりになっちまえ!
 難しいのは分かっているが、とことんやるんだ、ガンバレ!!」

唖然とするとともに、なんだか泣きそうになってくる。
アホでもいい、なんでもいい、笑われてもいい
自分の発揮できる力いっぱい生きるために人生は存在している。
でなきゃ、ただ息をしているだけで、本当に生きてないんだものね。

ってかね、九ちゃんのオヤジ役の人、絶対に
TVBのテレビドラマの「再見十九歳」の時に
トニーさんが演じた天ちゃんの友だちのヤンチャ君の
お父さん役の林雪さん似の人にそっくりだよ。
きっと、そうだよね、そうだよね?(って、誰に聞いているのだ・笑)
→続きを読んでみる・・
スモーク(優しい嘘の中でクリスマス・ディナー)
【スモーク】(1995年・アメリカ、日本、ドイツ)
smoke1.jpg

監督:ウェイン・ワン(王穎)
脚本:ポール・オースター
撮影:アダム・ホレンダー
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:ハーヴェイ・カイテル
    ウィリアム・ハート
    ハロルド・ペリノー・Jr
    ジャレッド・ハリス
    フォレスト・ウィテカー
    ストッカード・チャニング
    アシュレイ・ジャドー
    ジャンカルロ・エスポジート 他

<物語>
14年間毎朝同じ時刻に店の前で写真を撮り続けている煙草屋の店長オーギー(ハーヴェイ・カイテル)、彼の馴染みの客で突然の事故により出産まもない妻を失って以来立ち直れない作家のポール(ウィリアム・ハート)、彼が車に跳ねられそうになった所を助け父親を探す黒人少年ラシード(ハロルド・ペリノー・Jr)。そして・・。ブルックリンのとある煙草屋に集まる男達女達の日常を描いた群像ドラマ。人気作家ポール・オースターが書き下ろした短編「オーギー・レンのクリスマスストーリー」を自身で脚色。監督は『ジョイ・ラック・クラブ』、『チャイニーズ・ボックス』などの香港出身のウェイン・ワン。

<映画感想とご注文>
映画が好き。だからどんな映画とも、まず出逢いたい。
すべてがいい出逢いなわけじゃない。
けれども、一度味わったら、何度も何度も
味わいたくなる映画というのがある。
そんな映画のひとつ『スモーク』。
この映画に久しぶりに再会してみた。
ポールはみんな同じ写真だと言う。
でも、ゆっくり見てとオーギーは言う。
同じ場所、同じ時間、だけれど、二度と帰らない日々。
二度と逢えないこともある人たち。
そこを通りすぎていく人たちの人生たちを
同じようで違う毎日を、見つめ続けるオーギー。

ラストに流れる大好きなトム・ウェイツの曲がたまらない。
オーギーのある日のクリスマス物語。
盲目の年老いた女性とのクリスマス・ディナー。
お互いが嘘だと知りつつも、温かな時間が流れる。
偽善でもなく、完璧でもなく、ほんの少し汚れた
その時間は、それでも、きっと、彼女は幸せな時間だった。
掛け替えのないクリスマス・ディナーだった。
煙草を吸い、肺まで煙を送りこみ
ゆっくりはいてみる。それとも、火をつけ
そのまま煙を眺めてみる。その香りは
誰からも好かれるものではない。その存在は
煙たがられることもある。儚く消える煙。
吐いて捨て、そして味わい。
煙は人生だと思う瞬間。生きている。
息をして味わって。ほろ苦いな。煙草の煙のように、
人生はゆっくりと、そして儚いのね。
→続きを読んでみる・・
こわれゆく女(朝帰り、鍋にどっさりスパゲティ)
【こわれゆく女】 (1975年・アメリカ)
awomanundertheinfluence.jpg

監督:ジョン・カサヴェテス
脚本:ジョン・カサヴェテス
撮影:マイク・フェリス
    デビット・ノウェル
音楽:ボー・ハーウッド
出演:ジーナ・ローランズ
    ピーター・フォーク
    マシュー・カッセル
    マシュー・ラボルトー
    クリスティナ・グリザンティ
    キャサリーン・カサヴェテス
    レディ・ローランズ 他

<物語>
土木作業の現場監督ニックと妻のメイベル。愛情の強さゆえに現実生活のバランスを欠きがちなメイベルは夫ニックとの特別な夜に、彼が突発的な仕事で帰れなくなったことから、精神に失調をきたし始める。ファミリーのひとりであるピーター・フォークと、故カサヴェテスの公私にわたるパートナーだったジーナ・ローランズ共演による中期の傑作。

<映画感想とご注文>
スパゲティが食べたくなると、この映画を思い出す。
思えば昔はパスタという洒落た言葉はなかった(笑)
だからスパゲティなのです。

「俺がついている。君は何をしてもいいんだ。
 自分らしくふるまえ。君の家だ。
 本当の自分を出せ。楽になれ」

心の病気だと精神病院にいれられ
帰ってきたメイベルは、疲れ果て
もっと、心を閉ざしてしまっていた。
でも、ニックは愛してしまっている。
不安なまま裸足で夜の街を歩いたメイベルも
喜びのまま裸足で駆け寄り子供たちを抱きしめたメイベルも
ニックに心のまま命がけで愛をぶつけるメイベルも
そして愛の深さゆえ、こわれていくメイベルも。

本気で一生懸命生き、
どんなことにも命をふきこむメイベルを
本気でわかる人は、本気で生きている人だけ。
メイベル、大丈夫。ニックも子供たちも
アナタが大好きでたまらないの。
そしてメイベルもニックと子供たちが大好きでたまらない。
こんな幸せなことってないじゃない?
だから、もう恐がらないで。
愛する気持ちを心の引き出しにしまわないで。
誰かに可笑しいと笑われても気にしないで。
そのままでいて。愛する気持ちに嘘をつかないアナタが
アタシもめちゃめちゃ大好きなんだから・・。
→続きを読んでみる・・

香港映画食堂

  • Author:ガオ


  • バナーなんか作ってみたりして(うふふ)
    香港映画食堂へようこそ
    味は適当。でも愛だけはある・・
    つもり・・(笑)
    大好きな香港明星は
    梁朝偉さん♪

  • このブログについて

    本館映画感想HP「くいしんぼうシネマso be it」

    本館の屋根裏部屋「monolog」日々の想いや出来事。大好きなダンスやスケートの感想etc・・



最新の記事

最近のコメント

カテゴリー

Link

Life boat

彼らを殺す事を正しいと思いますか?彼らを助けるのに理由がいりますか?殺される犬猫たちを救おう

動物生命尊重の会

動物生命尊重の会 犬猫の飼い主探し

あなたは知っていますか?

あなたは知っていますか?

White Band

    ほっとけない 世界のまずしさ


月別アーカイブ

最近のトラックバック

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索